2024年7月に手に入れた、QY20 18号機。液晶表示せず、音もかなりひどい状態の機体でした。しかし、起動して、デモも演奏できるので、液晶周りのコンデンサと、演奏部のデジタルからアナログ変換後のコンデンサを交換で復旧できそうなので、ブログに載せる予定ではありませんでした。
しかし、深刻な問題があり、原因を追いかけましたが、結局わからないまま、修復失敗したので、記録のため、ブログに載せます。
まずは、入手時の状態。
外装もキーボードもきれい。基板もフラックスやたばこのヤニなどなく、きれいな状態です。シリアル番号から推測すると、QY20販売の終盤のころだと思います。このころの基板はフラックス除去もしてあり、ハンダも溶けやすく、製造工程の改善があったのでしょう。まずは、液晶の修理から。液晶自体は正常でした。液晶表示用のコンデンサの容量抜けで、-10v出ていません。コンデンサ交換の時、断線も見つかりました。
修理後、表示確認すると、問題なく表示できました。続いて、アナログ出力部のコンデンサ交換です。
作業スペース確保のため、出力端子を一旦外し。周辺を半田ごてで溶かさないようにマスキングテープで保護して、コンデンサを交換しました。これで完了!と音を聞いて見ると、Phone端子の左の音に常時ガサガサ音があります。ボリュームを絞っても発生。この条件に当てはまるコンデンサをすべて調べてみても、改善なし。他のコンデンサをつけなおしたり、入れ替えてみても、一向に改善なし。
一番作業したくない、ボリューム交換してみるしかないと諦めつつ、ボリュームを掃除してみたら、なんと、解消しました。ボリュームの問題ならば、ボリューム操作で何らかの変化があるはずなのに不思議。
これで完了!と復活した音を聞きつつ、全体操作してみると、なんと、、、、液晶がチラつきます。コンデンサのハンダ不良と思い、いろいろ確認してみましたが、問題なし。
実は、ここから、悪夢が始まりました。
オシロスコープで調べると、液晶表示用の-10v出力が安定していません。本来は、-9.3~-9.7v程度らしいのですが、-8.6v程度まで不規則に落ち込みます。このため、明滅しているように見えます。基板のパターンを痛めるのでやりたくないですが、コンデンサを再度、交換。しかし、改善せず。となれば、MAX680の故障しかありません。
MAX680のICは入手困難、しかも高価です。手元にある貴重なストックを使い、交換。なんと、、、改善せず。同じ症状が発生。ということは、ICは正常だったのです。取り外したICは大事にしまっておこう。
ここから泥沼にハマっていきます。MAX680に入る電圧が不安定の可能性があり、色々調べますが、問題なさそう。乱暴ですが、DCコンバータから、MAX680へジャンパー直結してみても、変わらず。オシロスコープで見ても、入力電圧は安定しています。なのに、出力は不規則に変動します。もう、原因が思い当たりません。
MAX680を再度基板から取り外し、完全な別回路で実験します。もともと、QY20の基板上でも、-10v生成回路は、電源以外は独立した回路です。他の影響はないので、比較しながら原因を絞り込むことにしました。
まずは、取り外したMAX680とテスト用のDIP型コンデンサ(同容量の22μF)をつないだ回路と安定化電源で動作させます。安定して、おおよそ-9.3v出力しています。次に画像にあるように、QY20のDCコンバータから電源を入力させます。これも正常。
この構成で再度、QY20の基板上で構成します。MAX680は再度、テストボードから外し、QY20の基板にはんだ付け。コンデンサは、同型のコンデンサをはんだ付け。これで同じようにオシロスコープで測定すると、安定して出力しました。
電圧が-9.6vになっていますが、コンデンサの容量誤差かなと。次に1つづつ、コンデンサを表面実装のチップ電解コンデンサに替えていきます。
電圧が-9.6vになっていますが、コンデンサの容量誤差かなと。次に1つづつ、コンデンサを表面実装のチップ電解コンデンサに替えていきます。
ここから不可思議なことが起き始めます。C28を置き換えたら、また不安定になりました。C28を再度、DIP型に替え、C27をチップ電解コンデンサにします。安定しています。さらに、C26をチップ電解コンデンサに替えると不安定になります。C26をDIP型に戻しても、不安定な状態が出るようになりました。このあと、残念なことに、チップ電解コンデンサのランドパターンが剥がれました。
C28のマイナス側が剥がれ始めていますが、これが切れてしまいました。このまま、全てのコンデンサを調べてみたいのですが、挙動が一定でないので、他の原因の可能性が高くなってきました。とはいえ、この回路は独立しているので、原因になる要素がなさそうです。
原因究明を諦めました。QY20 18号機は自作した代替液晶にします。なんとなく、敗北感があります。