QY20 久しぶりの仲間入り、11号機の状態観察

2023/10/14

11号機 YAMAHA QY20 電子回路

 約3か月ぶりのQY20の作業です。まだ紹介していない10号機を1か月近く前に、ヤフオクでポチリ、時間を取れる時まで保管状態なのですが、時間が取れたと同タイミングで、メルカリで出品があり、勢いで、ポチってしまいました。それが届いたので、11号機としました。11号機のが手間がかかりそうなので、こちらから、作業に入ります。(手間がかかりそうな機体がそのままだと、気になってしまうので)


まずは、状態観察。外観は、とてもきれいです。


キーボードも白いです。

液晶画面がなんとなく、焼けがあるように見えますが、単なる偏光のせいだと思います。

シリアル番号もしっかり残っており、修理の手が入っていないか、痛手の少なそうな状態が期待できます。

電源をつなぐと、、、、

  • 液晶は全く表示しません。電源OFF/ONのノイズすら出ません。
  • 音は全く出ません。ノイズすら聞こえません。何もつながっていないかの様。
  • 再生、デモ演奏できません。ボタンに反応していないかの様。
  • 工場リセットも効果ありません。
という状態でした。画面ノイズも出ないので、液晶自体が壊れている可能性があります。音も全く出ないので、ボード自体が動いていない可能性があります。このように、かなりひどい状況が想定されます。

電池蓋を取ってみると、

スポンジがボロボロ状態ですが、電池スペースにスポンジの粉が残っている状況です。大部分のスポンジのボロボロは掃除したと思われますが、この残り方からしても、あまり手を加えていないことが想像できます。基板には修理の手が入っていないことを期待させます。


続いて、中を見ます。まず、ビスを取ります。
なんと、ビスを外す感触では、一度もビスを外したことのない感触です。タッピングビスのモールドのネジ切りの圧力が残っています。やはり、修理の手が入ってなさそうです。

なんと、ほぼ完全な状態です。ノイズシールドと思われるカバーも、指紋や油脂汚れのないきれいな状態です。続いて、基板をチェックします。
こちらもほぼ、きれいです。掃除したような状態です。よく見ると、青錆があります。裏側は、ノイズシールドと半田付けされているので、完全に開けることはできません。
フラックスがかなり残っています。それ以外は、きれいな状態です。

ここまでの観察では、修理の手が全く入っていない、とても状態の良い機体です。

簡単に動作チェックしました。再生やデモ実行ができないので、まずは制御関係の動作から調べます。すなわち、後段の音出力周りのチェックは省略しています。(カッコ内はチェック場所)
  • 電源電圧、レギュレータ電圧、OK。(レギュレータ端子)
  • リセット信号、OK。(CPUのpin3)
  • MAX680出力。ERR。ほぼ0V。(可変抵抗部)
  • 供給電圧変換、OK。(レギュレータ下側のコンデンサ)
  • CPU・ROM・の電源供給、OK。
  • 液晶基板、OK.(他の機体に液晶を接続)
  • ボタン・LED基板、OK。(他の機体にボタン・LED基板を接続)
液晶表示用のMAX680まわり以外は、問題なさそうです。以前作った、-10v生成回路をMAX680の出力部につないで、表示テストします。画像の乱れた画面が表示されました。表示の動きからすると、デジタルでの周期的な動きです。すなわち、CPUは生きているようです。

本格的な調査に入る前に、簡単なところからテストしてみました。
  • フラックス清掃しても、動かない。
  • 工場リセットを、様々な状態でやってみても、動かない。
うーん、原因不明。本格的な調査が必要です。


その前に、表示できた方が良いので、MAX680周りの修理から取り掛かることにします。コンデンサ4つを交換が定石ですが、コンデンサでなく、MAX680自体の故障もあり得るので、どちらが原因なのか判別したいのですが、難しいので、まずはコンデンサ交換から行うことにします。 次回に続く。



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