YAMAHA QY20の障害切り分けメモ

2022/11/26

YAMAHA QY20

30年ほど前に発売された YAMAHA QY20。バックアップバッテリー切れと、画面が表示されなくなる、など、持病があります。さらに古い機械のため、いろいろな問題が起きます。

原因切り分けや、修理ポイント(わかる範囲)で紹介します。

画面が表示されない場合、以下をチェック

  1. 電源を入れる。画面がチラつくか。
  2. 画面がチラつかない場合、画面の濃淡ボリュームを変化。色が変わるか。
  3. 電源投入後、少し待ってから(15秒ほど)、鍵盤を押す。音が出るか。
  4. 音が出ない場合、「ENTER」を押して、もう一度、鍵盤を押す。音がでるか。
  5. それでも音が出ない場合、工場リセット
    (「OCT DOWN」+「OCT UP」+「A#」を同時押しで、電源ON。10秒ほど待つ。)
    その後、3から再テスト

以下、症状ごとの修理ポイント

  • 4で音が出たら、バッテリーローも発生しているので、バックアップ電池交換。
  • 3,4,5で音が出たら、表示の問題。音がでないなら、表示以外も問題あり。
  • 1で画面がチラつくが、2で濃淡が変化せず、また、何も表示されないならば、IC12のPIN4とGNDの電圧差を測定。マイナス5V以上あるか。なければ、画面表示用のコンデンサ(C26,C27,C28,C29)の容量抜け、要交換。コンデンサ交換しても、MAX680からマイナス電圧が出なければ、MAX680自体の故障。
  • 1で画面のチラつきがない、MAX680のPIN4からの出力が正常ならば、表示部の大きな問題の可能性。表示周りの信号線の切断の可能性を探る。


音が片方出ない場合の切り分け。(サービスマニュアルの回路図必須)

  • LINE OUT、Phoneの両方とも、同じ側の音がでない
    • IC16までの回路の問題であり、IC14,IC15,IC16を使って、順にチェック
    • IC16のPIN1とPIN7を短絡。音が出れば、IC16より前の問題。
    • 同じように、IC14, IC!5を短絡させ、問題個所を切り分け。
    • IC14で動く動く場合、IC11のPIN10,PIN14のデジタル信号をデジアナで表示させ、デジタル信号が入ってきているかチェック。IC11のピン向きに注意。(回路図が変)
    • IC11にデジタル入力され、IC14出力側の短絡で動く場合、IC11か、IC14の問題の可能性。
    • それぞれの範囲で切り分けた後、範囲内の電解コンデンサ及び、配線の断線を調べる。
バッテリーローが出続ける場合の調査
  • バックアップ電池のプラス側から、R2、電源スイッチ上側、R9、R7、IC2のPIN47と結線されている。
  • バックアップ電池とR2の片側の導通チェック
  • 次に、R2の反対側と電源スイッチの上側の導通チェック
  • 次に、(電源アダプタを接続せず)、電源スイッチをONにして、電源スイッチの上側と真ん中の導通をチェック
  • 次に、電源スイッチの真ん中と、R9の片側の導通チェック
  • 次に、R9の反対側と、R7の片側の導通チェック
  • 次に、R7の反対側と、IC2:PIN47の導通チェック
  • 全てつながっていた場合、電源アダプタをつないで、電源をON。
    バックアップ電池のプラス側と、R2,R9,R7,PIN47の端子を順次、電圧測定。どこかで、電圧が落ちている可能性大。
  • 電圧測定で、計測のたびに値が変わる場合は、バックアップ電池ホルダのゆるみ、半助け不良を疑う。


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