久しぶりに電源を入れたら、YAMAHA QY20が動かない

2022/11/26

YAMAHA QY20 電子回路

 久しぶりの30年前に購入したQY20を動かしてみました。このQY20は動かなくなり、なんとか修理したくて、調べに調べ、5年以上かけて、直した愛着のある単体です。


これがきっかけで、部品取りや代替機として、今は、他に2台の稼働QY20と、まともに動いていない1台があります。


久しぶりに、本機を動かそうとしたら、全く動きません。電源入れても、画面に全く変化がないです。プレイキーを押しても、音も出ないです。うーん、重傷です。


まずは、バックアップ電池を交換して、工場リセットします。動きません。電源オフオンしても、画面のチラツキもないため、液晶自体が通電されていない可能性。いろいろ触っていたら、画面が表示されました。しかし、画面が崩れています。しかも、バックアップ電池切れでの崩れ方と違います。まともに動いていない1台と同じような表示です。画面表示用のT6963や画面用のSRAM、ROMの読み取りタイミングなど、深刻な問題かも。。。


バックアップデータのリストアや工場リセットを繰り返しているうちに、画面表示の崩れはなくなりましたが、何かのタイミングで「ILLEGAL INPUT」や「BATTERY LOW」が出ます。たまに、画面も崩れます。おそらく、バックアップ電池周りと推測。


その前に、本機は、Phoneでの右側の音が出なくなっているので、修理します。LINE OUTでは両方の音が出るので、Phoneに分岐した後の回路に問題がありそうです。いろいるチェックしたところ、C71の容量抜けの可能性大です。



R66とR67の入力側を短絡させると、両方から音が出ます。ということで、C71を交換。ところが変化なしです。ここで気づいたのですが、R66とR67を短絡させたときと、入力元であるC56とC71のマイナス側を短絡させたときの挙動が違います。ということは、C71とR67がつながっていない可能性があります。たどったところ、なんとスルーホールで断線していました。


針先のR67上のスルーホールが断線

修理はとっても大変。ジャンパー配線は、スルーホールへのハンダは載り量が少ないのですぐに剥がれそうです。つながるチップ(抵抗など)へのはんだ付けは、剥がしてしまう可能性のが大きいです。一番安全なのは、スルーホールへのハンダの流し込みです。

ということで、まずは、フラックスrなどが詰まっているスルーホールを掃除。ホールが小さすぎて、針は入らないし、配線ケーブルの複線をばらした一本では、すぐに曲がってしまいます。いろいろ探して、一番いいのは、糸通し。適度な弾力と十分な細さ。ホール上に無水エタノールを載せ、糸通しで突っつくこと、30分ほどで貫通しました。

ひっかかりがない位まで繰り返し、そのあと、ハンダが載りやすいようにマツヤニを穴に押し込め、十分に熱したはんだを流し込み。なんとか成功。うまく導通しました。

交換したC71側(右側)だけ、音量が大きいです。C56,C71の容量が抜けると、音が小さくなっているようです。C56,も交換しました。音がはっきり、くっきり聞こえるようになりました。



本当はLINE OUT側もコンデンサを交換したほうが良いですが、リスクがあるのでこのままです。


つぎにバックアップ電池の作業です。

他のQY20で、バックアップ電池の電圧チェックするための配線が切れていることがありませいた。今回もそれかなと、思いつつ、症状が違う(本当に電池切れを起こした症状)なので、違う問題かもしれません。

まずは、配線チェック。チップ間の接続を確認すると全て、大丈夫です。しかし、電圧測定するとバラバラ。ばっぷアップ電池に近い端子でも動きがおかしいです。何度テストしても安定しないので、電池ソケットのケーブルを交換。すると、正しく電圧測定できました。

なんと、電池ソケットにつながるケーブルに問題があったようです。このため、電源ON乗田でもバックアップメモリデータが消えたりして、変な動きをしていたのかも。


まともに動いていない1台も同じような症状ですが、音を再生できているので、バッテリーは正常のようです。これも、調べたいところですが、画面が表示されなくなってしまったので、まずは表示できるようにしないと。。。


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